| 賃貸収支シミュレーション実例1 | 30年一括借上に不安を抱えるオーナー様へ。良いサブリースか悪いサブリースか、契約内容を正しく把握することが第一歩です。

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賃貸収支シミュレーション実例

実例1:D社で3棟建てられたオーナーさんのケース

オーナーイメージ

オーナー情報

S氏
年齢60歳
職業 大工・農業
家族構成妻 子2人
所有D社 3棟18戸

当時のいきさつ(経緯)・背景

近隣の農地は建売住宅業者に売却されたが、売るのはもったいないと感じていたところ、将来の資産形成のためにとD社の営業が毎日のようにやってきた。大手企業であり、空室であっても家賃が保証されるということで、良いかなと思った。

不安・不満要素

農地を宅地に造成し、建物以外の建築付帯工事に2,000万円もかかった。総工費は全額借入し、約2.5憶円の返済を抱えることになったが、当時のD社の提案書では家賃が30年間下がらないという試算だったので、建築費はかかったが回収できると思っていた。
当初は入居率も高く、毎年の手残り額も十分にあったが、周辺にD社の新築アパートが年々増えていき、空室が目立つようになっていった。空室が長期化すると、D社の担当者が家賃の値下げの交渉にやってきて、賃料は年々下がる一方。それとともに、毎年の手残り額も減少していくのではないかと不安になった。
D社の担当者はコロコロ入れ替わるので、誰に相談したらよいかもわからないまま月日が流れていき、毎年の手残りは数十万円程度まで落ちていて、なんとかしないといけないと思っていた。

1つ目のケースはD社で3棟建てられた方です。会社が大手だったことと、空室でも家賃保証してくれることに安心して契約されたそうです。
農地を宅地に造成したときの付帯工事にも結構な金額が掛かり、建物も含めて総工費2億5000万円、全て借り入れを起こします。かなり高額の借金でしたが、当時のD社の提案では家賃が30年間下がらない試算だったので安心していました。

しかし、空室が長期化してくると担当者が家賃の値下げ交渉にやってきます。これも、サブリースを続けたいと思ったら結局、提案は飲まざるを得ません。年々家賃は下がる一方です。
その一方で、銀行の返済は下がりません。当然毎年の手残りが減少していく状態で、S様は漠然と不安になっていました。
大手だということもあると思いますが、担当者もコロコロ変わるらしく、誰に相談したらいいか分からないといったことでも悩まれていました。

転機・当社での分析

キャッシュフローと管理委託契約書を分析

弊社も毎月いろんなセミナーをしているんですけれど、そちらに参加されていたオーナー様です。当初は新しい物件を増やすことで手残り額を増やそうと考えていました。
このときにいろいろお話を伺いながら、現状分析として実際にキャッシュフローを見てみませんかとご提案して見せていただきました。資料画像は、その時のものになっています。

キャッシュフローとしてはD社での収入は約1130万円、それに対してローン返済は841万円です。
ローンの返済比率としては75%、非常に高いローン返済比率です。ローン返済比率はせめて45%~50%ぐらいに抑えられるのが望ましいのですが、この方はほとんどの収入がローンに消えてしまっているというのが実情でした。
返済比率も高く収入も減り続けていたので、このオーナーさんは非常に危険な状態だったんだという事が分かりました。

また、90%を家賃保証ということで安心していたのですが、実際には83%の保証でしかないことも分かりました。
どういうことかといいますと、『ワランティサービス』や『原状回復特約』という名目で分かりづらいのですが、毎月の固定費の支払いです。
ワランティサービスは、換気扇だとか住宅設備機器の修理サービスですね。
原状回復特約費というのは入居者が退室したときの壁紙や床を張り替える費用です。
これらを毎月毎月払うわけなので、全部合わせると83%しか保証されてない計算になります。

原因の分析ということを見ていくと、
そもそもの建築コストが高いというのは、もう建ててしまった以上どうしようもありません。安くしてくださいと言えない。
次にローン返済比率が高かったので、どうにか下げようかということも考えたんですけど、すでにご自身で金利を下げきっている状態でした。
もう一つが、この物件は満室で経営していました。しかし、現状だと部屋は埋まっている状態なのに収入は83%しかありません
ですのでご提案として、借り上げの解約と管理会社を変えたときにどうなるでしょうか、ということを見させていただきました。

シミュレーション

サブリースの場合のシミュレーション

これが今のサブリースのシミュレーションです。

まず上段の表、2棟お持ちなので物件Aと物件Bとに分かれています。
それぞれの『募集・入居家賃』は実際に入居者が払った家賃。『募集・入居家賃』の右隣りの『借上げ家賃』が手元に入る金額です。
『共益費』は入居者が3000円払っていましたが、サブリース会社からオーナーさんへ振り込まれているような感じはありませんでした。
それから『駐車場賃料』『駐車場借上賃料』があります。
下段はキャッシュフロー表で、2017年が2棟の家賃の合計と駐車場の賃料の合計を足して、11,298,600円になっています。
そこから銀行返済や固定資産税などの支出があって、単年の手残りがでてくるというものです。

表を見るとわかるかもしれませんが、家賃の下落率は1.5%で見ています。
駐車場は毎年の減額は少ないので、減額についてはシミュレーションしていません。
家賃が下がるので、収入も年々下がっていきます
ただ、支出はほとんど減りません
銀行の返済額が毎年減ればいいのですが、なかなかそうはいきません。固定資産税も多少下がりますが、ほとんど変わらない状態です。
単年の手残りで大切なのは10年後どうなっているかですが、10年後を見ると-74709円です。収入より支出の方が大きい状態です。
マイナスになっているので手残りの累計から赤で書かれている数字を払っている状態です。

ここで重要なことが、全部を見るとどうなのかってことです。支出の方が大きいから税金は払わなくていいかというと、そういうわけではないんです。

原価償却といったもので最初の方は手残りがありましたが、だんだん無くなってきます。
銀行返済も支払いが進むごとに、返済額に含まれる利息が減っていきます。

そのため実際は支出の方が大きくて困っている状態ですが、確定申告などでは儲かっているように見られてしまって税金を取られるということです。

支出の方が大きいのに、さらに税金を払わなければいけない状態になることがシミュレーションでわかりました。

では、一般管理に切り替えた場合はどうかです。

一般管理に切り替えて100%で稼働した場合のシミュレーション

まず稼働率100%で見てみました。10年間常に満室で運営をしていった場合です。
理想です。現実的にはあり得ない数字だと思います。ですが、運営をするのでしたら目標として知っていただきたいので、あえてこれは作っています。
建物Aと建物Bで、単純に入居者さんから払ってもらっているものがオーナーさんの収入として入っているというような図になっています。
これで見ていくと10年後は手残り113万円です。手残りが残った状態になるのがわかります。

さて、ここからが問題です。稼働率95%を見ていきます。
これは結構現実的な数字だと思います。築が浅いと特にです。

稼働率95%のイメージ

稼働率95%はどういう状態かということからですが、例えば年間で5室入れ代わりがあった場合で考えると、空室期間が約2か月から3か月程度という状態です。

これは空室率というのでも計算ができます。
この表のケースで計算すると
Aが8室 Bが10室 8+10=18
12ヶ月分を掛けて 18×12=216
年間で216室を貸せます。
11室分が空くと 11÷216=0.05
5%が空室率ということになるので稼働率が95%という事になります。

物件をお持ちの方は、ぜひご自身でも計算してみてください。
賃料に置き換えて計算してみると、満室で稼働した場合をイメージして、一室アタリ約3060円下がった感覚になります。

この稼働率95%でシミュレーションした結果がこちらです。

95%で稼働した場合のシミュレーション

10年後の単年手残りは、574,818円になっています。

次は90%のイメージです。90%というとかなり深刻な状態です。

稼働率90%のイメージ

5室退去して、次の入居までに大体5ヶ月くらい掛っているときがあります。
築10年~15年くらいで常にこの状態が続くような状況だと不安です。

90%で稼働した場合のシミュレーション

見ると10年後の単年手残りは20,000円です。10年後でも、多少残りますね。

シミュレーション結果一覧表

結果をまとめました。サブリースと一般管理で今から10年後を迎えた場合です。
サブリースと一般管理稼働率95%では、手残りの差額695万円くらいが出ました。
90%で稼働したとしても106万円くらい違いが出ます。

注意していただきたいのはサブリースではどんなに稼働していても、100%満室で稼働していたとしても、オーナーの収入というのは決して上がらないということです。
一般の賃貸経営では稼働率が下がれば、収入が下がるリスクはもちろんあります
ですが稼働率などを理解して上手に運用すれば、十分収入増というのが期待できるのではないかなと思います。

結果

結果

結局、この方は管理を変更されました。

実際に引き継ぎをした結果ですが、一般管理に切り替えて退去が重なりました。
ですがすぐに入居者が決まり稼働率95%で回っています。
一般管理に切り替えたことで運営費が増えたんですけれども、家賃保証を外すことで収入が増えて手残りが増えたという方のケースです。

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